DNA鑑定|親子関係の調査の方法と費用

嫡出否認の調停や親子関係不存在確認の調停などで、子どもとの親子関係がないことを鑑定するために、家庭裁判所の調査でDNA鑑定が行われることがあります。
親子鑑定のためのDNA鑑定に使われる検体は、主に髪の毛と口内上皮です。口内上皮の検体は、頬の内側を綿棒で軽くこするだけなので簡単に採取することができ、費用も10万程度である場合がほとんどです。
現代はDNA鑑定の技術も進歩していて、妊娠中の胎児のDNA鑑定を行うこともできます。

ここではDNA鑑定の方法や、親子関係が認められなかった場合の養育費の支払い、慰謝料や損害賠償の請求についてご紹介します。

親子関係を調査するためのDNA鑑定

現代の科学では、DNA鑑定をすれば、非常に高い確率で親子の血縁関係は簡単に明らかにすることができます。
DNA鑑定が行われるのは、親子関係不存在確認や認知事件において血液型等によって客観的に事実関係を証明できないケースです。
DNA鑑定の手続は裁判所で行われます。DNA鑑定の費用は,原則申し立てた方の負担となります。鑑定費用は10万円程度のケースが多いようです。

しかし、DNA親子鑑定の法律はまだ整備されていないので、親子関係がないという鑑定結果が出たからといって、すぐに法的な親子関係がなくなるわけではありません。
しかし、嫡出否認の調停や親子関係不存在確認の調停では、親子関係を調査するためのDNA鑑定は大変重視されています。

DNA鑑定はいつでも鑑定可能なのか?

現代はDNA鑑定の技術も進歩していて、妊娠中の胎児であっても7~8週目であればDNA鑑定を行うこともできます。
しかし、出生後のDNA鑑定に比べると精度は低くなりますし、母体への影響も懸念されます。したがって、DNA鑑定するのであれば、出生後に鑑定する方が望ましいといえます。

DNA鑑定の方法

DNA鑑定では、通常口内上皮と毛髪を使って鑑定を行います。
口内上皮の検体は、医療用綿棒で頬の内側を軽くこするだけで簡単に採取できます。
このほか、骨、爪、へその緒、ガム、歯ブラシ、タバコの吸殻などでも、人の細胞が付着していればDNA鑑定は可能です。

DNA鑑定の費用と期間の相場

家庭裁判所でDNA鑑定鑑定をする場合には、鑑定費用として10数万円程度である場合がほとんどです。また、鑑定結果は約10~15日間で出る場合が多いようです。

DNA鑑定を拒否するとどうなるか

親子関係の確認はDNA鑑定とは限りません。外観的客観的に子の母と前婚の夫との性交渉が不能であることを立証するなど、例外的な確認・立証方法もあります。
ただし、DNA鑑定を拒否すると、その後訴訟となった場合に心証的に不利になってしまう可能性もあります。実子であるという自信があっても実子ではないかもしれないという不安があっても、DNA鑑定は受けておいた方がよいでしょう。

親子関係が認められなかった場合

調停でDNA鑑定が行われた結果夫の子ではないことが判明した場合には、慰謝料や損害賠償は請求されるのでしょうか。また、その時すでに受けとっていた養育費はどうなるのでしょうか。

慰謝料請求

DNA鑑定で夫の実子でないことが判明したことで、妻の不貞行為が認められた場合には、妻が夫から慰謝料を請求される場合があります。

慰謝料を請求するには期限がありますが、その期限は時効は「損害及び加害者を知ったとき」から3年なので、DNA鑑定で不貞行為が明らかになった場合には、夫から慰謝料を請求される可能性があります。

養育費の返還請求

DNA鑑定の結果を受けて、公的にも父親でないことが証明されれば養育費の支払い義務も消滅します。自身の子どもだと思って養育費を支払っていたなどの事情がある場合は、養育費の返還請求が可能な場合がありますし、過去の養育費を損害賠償として請求される可能性もあります。

まとめ

以上、DNA鑑定についてご紹介しました。
DNA鑑定は、夫婦ともに気が重いものですが、その後の調停や裁判の行方を大きく左右することがあります。
したがって、弁護士と相談したうえで前向きに検討するようにしましょう。