不倫された時にやめさせる方法&離婚する方法

夫(妻)が、不倫をしているかも?と思っても、いきなり問い詰めたりするのは、おすすめしません。
問い詰めたところで、「はい、その通りです。浮気をしました。すみませんでした。」とあっさり認め、反省する人は少ないでしょう。
この記事では、夫(妻)が、不倫をしているかも?と思った時の対処法についてご紹介します。

不倫しているかも?と思ったら

不倫を疑ったときは、つい感情的になってしまうものです。しかし、十分な確認をしないまま問い詰めても、相手に否定されたり、話をそらされたりする可能性があります。
不倫が知られそうだと気づけば、その後は連絡履歴を消す、会う場所を変えるなど、行動を慎重にすることも考えられます。

まずは冷静になり、帰宅時間や休日の外出、説明の変化などを記録しながら、今後どのように対応するかを考えましょう。法律上の離婚原因となる「不貞な行為」は、一般に、配偶者以外の人と自由な意思に基づいて性的関係を持つことを指します。
単に食事をした、頻繁に連絡を取っていたという事情だけでは、不貞行為があったと直ちに認められるわけではありません。民法770条は、配偶者に不貞な行為があったことを裁判上の離婚原因の一つに定めています。

不倫している人の行動チェック

まずは、不倫が疑われる夫や妻の行動に変化がないかを確認してみましょう。

ただし、次の項目に当てはまるからといって、不倫をしているとは限りません。
仕事の繁忙期や体調、夫婦関係の変化など、別の理由で同じような行動が現れることもあります。

・帰宅時間が以前より遅くなった
・残業や休日出勤が増えた
・電話をしてもつながらない時間が増えた
・自宅でもスマートフォンを常に手元に置いている
・スマートフォンの画面を伏せて置くようになった
・スマートフォンのロック方法を変更した
・通話やメッセージの履歴を頻繁に削除している
・普段行かない地域の店舗や駐車場の領収書がある
・服装や下着、香水などに以前より気を配るようになった
・見覚えのない小物や贈り物を持っている
・外出先や帰宅時間を尋ねると説明が変わる
・趣味や食事の好みが急に変わった
・夫婦間の性交渉を拒むようになった
・夫婦で過ごす時間や会話が減った

夫や妻から突然「性格が合わないから離婚したい」と言われた場合でも、それだけで不倫をしているとは判断できません。ただし、不倫相手との関係を続けるために離婚を求めているケースもあるため、急いで離婚条件に同意せず、背景を確認することが大切です。

いきなり問い詰めない

不倫をしているのではないかと疑っても、すぐに「不倫しているでしょう」と問い詰めるのは避けましょう。感情的な話し合いになると、事実関係を確認できないまま口論になったり、相手が証拠を消したりする可能性があります。
まずは、帰宅時間や外出の状況、相手から受けた説明などを日付とともに記録します。そのうえで、夫婦関係を続けたいのか、慰謝料を請求したいのか、離婚も視野に入れるのかを整理しておきましょう。
暴力や威圧的な言動が予想される場合は、二人だけで話し合わず、弁護士や支援機関へ事前に相談してください。

証拠が重要

不倫を理由に離婚や慰謝料を請求する場合、証拠は重要です。相手が不倫を否定すると、肉体関係があったことや、その関係によって夫婦関係が侵害されたことを、請求する側が主張・立証しなければならないためです。
ホテルへ二人で出入りする写真や動画、肉体関係があったことを具体的に推認できるメッセージ、本人が不倫を認めた書面や録音などは、証拠として扱われる可能性があります。一方、食事の領収書や親密なメッセージだけでは、それだけで不貞行為を証明できるとは限りません。

・帰宅時間や外出先を記録した行動メモ
・ホテルや旅行先などの領収書、予約記録
・クレジットカードや電子決済の利用明細
・不倫を認めた発言の録音や書面
・肉体関係を推認できるメッセージや写真
・自動車の利用日時や走行記録
・探偵業者が適法に作成した調査報告書

証拠を集める際は、違法な手段を用いないことが大切です。相手のスマートフォンのロックを無断で解除する、パスワードを推測してメールやSNSへログインする、他人の住居へ侵入する、無断で位置情報を追跡するといった行為は、別の法的問題につながるおそれがあります。
自宅に置かれていて通常確認できる資料でも、取得方法によって証拠としての評価や法的な問題が変わります。迷う場合は、実際に行動する前に弁護士へ相談しましょう。

調査会社や探偵を利用する

不倫相手や会っている場所が分からず、自分で証拠を集めることが難しい場合は、調査会社や探偵への依頼を検討する方法もあります。
探偵が撮影した写真や作成した調査報告書は、調停や裁判で証拠として提出できます。ただし、報告書があるだけで必ず不貞行為が認められるわけではなく、撮影日時や場所、二人の行動、写真の鮮明さなどを踏まえて判断されます。

依頼する際は、探偵業の届出状況、調査内容、料金の計算方法、追加料金、途中解約の条件、報告書の形式などを確認しましょう。探偵業者には、契約前に重要事項を書面で説明し、契約後にも契約内容を記載した書面を交付する義務があります。
複数の業者から見積もりを取り、契約内容を比較することも大切です。
弁護士へ先に相談し、必要となる証拠の内容を確認してから調査を依頼する方が安心です。

不倫をやめさせるためには

不倫の事実を確認したうえで夫婦関係を続けたい場合は、証拠や確認できた事実を整理し、今後の関係について冷静に話し合います。
話し合いでは、不倫相手との連絡や面会をやめること、連絡先を削除すること、再び不倫をした場合の対応などを確認します。双方が合意できる場合は、合意内容を誓約書や合意書として残す方法もあります。

ただし、相手の行動を過度に監視する内容や、社会通念上高額な違約金を定めても、そのすべてが法的に認められるとは限りません。書面を作成する場合は、弁護士への相談も検討しましょう。

証拠を示しながら話し合う

不倫を認めさせたい場合は、証拠をすべて最初から見せるのではなく、必要な範囲で示しながら話を聞きます。相手の説明や発言内容も記録しておくと、その後の交渉に役立つことがあります。
夫婦関係を続ける場合は、不倫相手との関係を解消する意思があるか、再発を防ぐために何をするか、夫婦関係の修復に向けて話し合えるかを確認します。

一方、相手が離婚を求めたり、財産を移そうとしたりする場合は、すぐに離婚届へ署名せず、弁護士へ相談した方がよいでしょう。離婚届を勝手に提出されるおそれがある場合は、離婚届の不受理申出をしておく方法があります。
参考: 離婚届を勝手に出された!無効にすることはできる?

不倫相手に慰謝料を請求する

夫や妻と不倫相手との間に不貞行為があり、不倫相手が既婚者であることを知っていた、または注意すれば知ることができた場合は、不倫相手へ慰謝料を請求できる可能性があります。

反対に、不倫が始まる前から夫婦関係がすでに破綻していた場合や、不倫相手に故意・過失がなかった場合は、慰謝料請求が認められないことがあります。

「独身だと聞いていた」「夫婦関係は終わっていると説明された」という事情があっても、それだけで必ず責任を免れるわけではありません。交際期間や相手の生活状況、説明の内容などから、既婚者であることを確認できたかどうかが個別に判断されます。

また、不倫相手に対して請求できるのは、基本的には不貞行為によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料です。不倫相手に「離婚させられたこと」自体の慰謝料を請求するには、不倫相手が夫婦を離婚させることを意図して働きかけたなど、特段の事情が必要とする最高裁判例があります。

慰謝料請求には時効があります。一般に、損害と加害者を知った時から3年間、または不法行為の時から20年間が経過すると請求できなくなる可能性があるため、早めの確認が必要です。

不倫が原因で離婚したい時には

不倫を理由に離婚し、配偶者や不倫相手へ慰謝料を請求したい場合も、まずは証拠と財産資料を確保します。
離婚を急いで成立させると、慰謝料や財産分与、年金分割、子どもの養育に関する条件が決まらないままになることがあります。離婚届を提出する前に、必要な条件を整理しておきましょう。

なお、2026年4月1日に改正家族法が施行され、未成年の子どもがいる場合は、離婚後の親権者を父母双方とする共同親権、またはいずれか一方とする単独親権のどちらかを定められるようになりました。どちらか一方が原則とされているわけではなく、協議がまとまらない場合は、家庭裁判所が子どもの利益を基準として判断します。

別居する時には、証拠を持ち出す

別居を予定している場合は、不倫に関する証拠だけでなく、財産や収入に関する資料の写しも確保しておきましょう。
預貯金通帳、証券口座、生命保険、住宅ローン、不動産、退職金、給与明細、源泉徴収票、確定申告書などは、財産分与や婚姻費用を検討する際の資料になります。

ただし、相手の私物や原本を無断で持ち出すとトラブルになる可能性があります。必要な範囲で写真やコピーを保存し、取得方法に不安がある場合は弁護士へ相談してください。
別居中であっても、離婚が成立するまでは夫婦です。収入の差がある場合は、生活費として婚姻費用を請求できる可能性があります。

離婚届不受理申出を提出する

離婚届の不受理申出とは、自分の意思に基づかない協議離婚届が提出された場合に、その届出を受理しないよう市区町村へ申し出る制度です。
原則として本人が市区町村の窓口へ出向き、本人確認書類を提示して手続を行います。不受理申出は、本人が取り下げるまで有効です。

ただし、不受理申出で防げるのは、夫婦の合意によって届け出る協議離婚です。調停、審判、判決などによって成立した離婚の報告的届出は、不受理申出があっても受理されます。

預貯金や不動産を勝手に処分されないようにする

不倫が発覚しても、感情に任せて「財産はいらないから離婚する」と伝えるのは避けましょう。
婚姻中に夫婦の協力によって取得・維持した預貯金、不動産、有価証券、保険の解約返戻金などは、どちらの名義であるかにかかわらず、財産分与の対象になる可能性があります。一方、婚姻前から所有していた財産や、相続・贈与によって取得した財産などは、原則として対象外です。

2026年4月1日以降に離婚した場合、家庭裁判所へ財産分与を請求できる期間は、離婚後2年から5年へ延長されました。財産の取得や維持に対する夫婦の寄与は、家事や育児も含め、原則として対等とされています。2026年3月31日以前に離婚した場合は、従来どおり離婚後2年の期間が適用されるため注意が必要です。
相手が預貯金を引き出す、不動産を売却するなど、財産を処分する具体的なおそれがある場合は、審判前の保全処分や民事保全による仮差押え・仮処分を検討します。
保全処分が認められるには、守ろうとする権利と、今すぐ保全する必要性を資料によって示す必要があります。手続の選択や申立先は状況によって異なるため、早めに弁護士へ相談してください。

話し合う時の注意点

離婚について話し合うときは、日時、場所、相手の発言、提示された条件などを記録しましょう。自分が参加している会話を録音する方法もありますが、録音の方法や利用目的によって問題が生じる場合があるため、無理な方法は避けてください。
協議で合意した内容は、離婚協議書などの文書に残します。慰謝料、財産分与、年金分割、婚姻費用の清算、子どもの親権、監護、養育費、親子交流などを具体的に記載しましょう。
金銭の支払いを分割にする場合は、一定の条件のもとで強制執行認諾文言を入れた公正証書を作成しておくと、支払いが滞った際に裁判を経ずに強制執行できることがあります。単なる念書では、直ちに差押えができるとは限りません。

離婚調停を利用する

相手が離婚に応じない場合や、慰謝料、財産分与、親権、養育費などの条件について話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所へ夫婦関係調整調停(離婚)を申し立てます。
離婚調停では、裁判官と調停委員で構成される調停委員会が、原則として夫婦から別々に事情を聞き、合意できる解決を探ります。

話し合いがまとまり、調停調書に記載されると、その時点で調停離婚が成立します。離婚届を提出した時点で成立するわけではありません。申立人は原則として調停成立日から10日以内に、調停調書の謄本を添えて市区町村へ離婚届を提出し、戸籍へ反映させる手続を行います。

調停が不成立となった場合、離婚そのものは通常、自動的に審判へ移るわけではありません。一定の事情がある場合に家庭裁判所が審判をすることもありますが、一般的には離婚訴訟を提起することになります。

なお、離婚調停の申立て動機に関する順位や件数は年度によって変わります。過去の画像や順位を掲載する場合は、裁判所が公表している最新年度の司法統計に差し替える必要があります。

離婚裁判までいくことも

離婚調停が不成立となり、それでも離婚を求める場合は、家庭裁判所へ離婚訴訟を提起します。原則として、離婚訴訟を起こす前に調停を経なければなりません。

裁判で相手の同意を得ずに離婚するには、民法770条に定められた離婚原因が必要です。配偶者に不貞な行為があったことは、裁判上の離婚原因の一つです。

ただし、不倫をした側から離婚を求める場合は、有責配偶者からの離婚請求として、別居期間、未成熟の子どもの有無、離婚によって相手が過酷な状況に置かれないかなどが考慮されます。不倫をした側が請求すれば、必ず離婚が認められるというわけではありません。

離婚訴訟では、不貞行為の証拠だけでなく、婚姻関係の経過、別居の状況、財産、子どもの養育状況など、多くの資料が必要になることがあります。本人だけで進めることも制度上は可能ですが、争点が多い場合は弁護士への相談を検討しましょう。

まとめ

不倫を疑ったときは、すぐに相手を問い詰めるのではなく、まず事実関係を冷静に整理することが大切です。
不倫をやめさせて夫婦関係を続ける場合も、離婚や慰謝料請求へ進む場合も、適法な方法で確保した証拠が重要になります。ただし、親密なメッセージや行動の変化だけでは、不貞行為を証明できるとは限りません。

また、離婚を急ぐあまり、財産分与や慰謝料、子どもの親権、養育費などを曖昧なままにすると、後からトラブルになる可能性があります。2026年4月には、離婚後の共同親権や財産分与の請求期間などに関する改正法も施行されています。
自分だけで対応することに不安がある場合は、証拠収集や相手との話し合いを始める前に、離婚問題を扱う弁護士へ相談することをおすすめします。現在持っている資料で何を証明できるのか、追加調査が必要か、財産を保全する手続が必要かについて、状況に応じた助言を受けることができます。