離婚問題は、弁護士に依頼しないで進めることはもちろん可能です。
しかし、離婚した後に「慰謝料や財産分与について本来であればもっと請求できたのに」「しばらく払われていた養育費が、支払われなくなった」「言われるがままに親権をわたしたが、子どもに全く会えなくなった」など、離婚後後に後悔するケースは多々あります。
一時の感情で突っ走って離婚して後悔しないためにも、そして離婚が新しいより充実したスタートとなるためにも、弁護士に相談するべきメリットは実に多いといえます。
弁護士に相談するメリット
離婚をすると決めた場合には、離婚の手続きや、離婚後の自分の生活、離婚後の子どもの養育など、多くの事柄について慎重に話し合って、取り決めていく必要があります。
離婚の話し合いは、気が重いものですから、「とにかく離婚だけ先に成立させてしまおう。養育費や財産分与、慰謝料の話はあとで話し合いをすればいい」とするケースもありますが、離婚が成立した後だと、相手と連絡がつかなくなってしまったり、取り決めたはずの財産分与や慰謝料、養育費の支払いもせずに逃げ回るという人もいます。
このような離婚後のトラブルを可能な限り避けるためにも、離婚したいと思ったら、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談するメリットは多々ありますが、最も大きいメリットは①有利に進めることができる、②慰謝料、養育費などの目安が分かる、③離婚後のトラブルを回避できるの3点ではないでしょうか。
①離婚を有利に進めることができる
調停や裁判ではもちろん弁護士がいた方が断然有利になりますし、離婚協議においても、財産分与や慰謝料などの離婚条件について微妙なかけ引きが行われることがあります。
このようなシーンでは、離婚案件について豊富な経験を積んでいる弁護士だからこそ可能な交渉テクニックが、非常に効果的です。
弁護士であれば感情的になることもないので、自分で協議や交渉を行うより有利に離婚交渉を進めることができます。
また、交渉する前に証拠の収集や主張方法についてアドバイスを受けることができるので、離婚を有利に進めることができます。
②慰謝料、養育費などの目安が分かる
弁護士に相談することで、個々の事情に応じた慰謝料や養育費、財産分与の目安を知ることができますので、後々余計な後悔をしないで済みます。
たとえば、夫が不貞をしたことが離婚原因の場合、慰謝料として夫が「○○万円なら支払う」と言っているとします。弁護士に相談しないままだと「それしか取れないのだ」と思って承諾してしまう場合があります。
しかし弁護士に相談しておけば、「提示された慰謝料の額が妥当なのか」「本来ならもっと払ってもらえるのか」確認することができます。
「もらえる慰謝料の相場」や「交渉を有利に進めるための証拠」について早めに確認しておけば、離婚後に後悔しないで済むのです。
③離婚後のトラブルを回避できる
親が子どもに対して負う扶養義務の内容は、「自分の生活水準を切り下げても自分と同等の生活をさせなければならない」というものであり、「自分に余裕がある範囲で、子どもの最低限の生活をさせればよい」というものではありません。
したがって、親が失業したり借金を抱えたり、再婚したからといった理由で経済的な余裕がないから養育費を支払わないというのは基本的に通用しません。
しかし、養育費についてしっかりと取決めをしたにも関わらず、養育費が不払いになるケースは多々あります。養育費については、妥当な金額の計算や離婚後に不払いが発生しないような対策、また実際に不払いが発生した場合の回収方法などについて取決め、公正証書にしておくことで、トラブルの可能性が格段に減ります。
弁護士に相談すると、養育費の不払いなどの事態が回避するために離婚協議書という形で契約書にして公証証書化をしてくれますので、養育費の不払いという事態が発生しても速やかに強制執行などの手続きをとることが可能となります。
弁護士費用の相場
離婚する際にかかる弁護士費用とひとくちにいっても、離婚調停の場合や調停不調で訴訟となった場合など、個々の事案によって大きく異なります。日弁連の「市民のための弁護士報酬」では、離婚の弁護士費用の相場は50万円程度が平均となっています。
▶ 協議離婚に弁護士は必要か?弁護士費用の相場はどのくらい?
初回相談は無料の場合も
これまでご紹介したとおり、離婚する時には親権、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割など考えなければならないことが山ほどあります。
初回の法律相談は30分5,000円~1万円であるケースが多いようですが、無料で対応してくれる法律事務所も増えています。離婚の協議が進展せずストレスを抱えてる場合でも、弁護士が介入するだけで大きく進展することもありますし、有利に離婚の交渉を進めるためには知っておいた方がよい知識は実に多いのです。
離婚に関するお悩みは、早目に弁護士に相談するとよいでしょう。